運動不足の解消には何から始めればよい?医師が解説!

まとめ

  • 運動は健康に直接影響します。
  • 始めるときは短い時間、低い強度でよいです。
  • 座っている時間が長い人はまず座っている時間を減らしましょう。

みなさん、運動してますか?
運動した方がいいよなぁ……と思っていても、なかなか満足にできないことも多いですよね。

どのくらいの時間が理想的なの?
時間がとれなかったらどうしたらいいの?
運動以外にできることはないの?

今回はそんな疑問を専門医が解説します!

この記事を書いた医師

大坂 貴史

Takafumi Osaka

運動と健康の関係って??

日本人の死亡に影響する要因を調査した2007年の研究では喫煙、高血圧症についで、運動不足が「第三位」といわれています (参考文献 1)。

また、運動不足は肥満、2型糖尿病、特定のがん、認知症、うつ病・不安の症状などとの関連が指摘されています (参考文献 2)。

日本における運動習慣者 (※1) の割合は男性33.4%、女性25.1%と少ないです (参考文献 3)。

※1:1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している方。

推奨されている運動時間は??

WHO が推奨している運動時間を見ていきましょう。
「高強度=やや楽~きつい」、「中等度=非常に楽~やや楽」を目安としてください。

成人に推奨されている運動としては週に150~300分の中強度の有酸素運動と週2回以上のレジスタンストレーニング(筋トレ)です (参考文献 2)。

高齢者 (65歳以上) 及び慢性疾患のある成人は、これらに加えて週3回以上のバランストレーニング (例えばヨガや太極拳などバランス感覚を鍛えるトレーニング) が推奨されています。これらのトレーニングは、全身をまんべんなく(バランスよく)鍛えてくれます。

子ども (5-17歳) の場合は、1日平均して60分の中等度以上の有酸素運動と週3回以上の高強度有酸素運動もしくは筋肉や骨を強化する運動をするべきとされています (参考文献 2)。高強度有酸素運動もしくは筋肉や骨を強化する運動にはサッカーや縄跳びなどがあたります。

妊娠中および産後の方は週150分以上の中等度以上の有酸素運動を行い、筋肉トレーニングや軽いストレッチを行うことで妊娠中に問題となる妊娠高血圧症、妊娠糖尿病、妊娠中の過剰な体重増加、分娩合併症および産後うつ、また、新生児合併症のリスクが減少するとされています (参考文献 2)。

成人中等度の有酸素運動:週150〜300分
筋トレ:週2回以上
高齢者・慢性疾患のある成人中等度の有酸素運動:週150〜300分
筋トレ:週2回以上
バランストレーニング:週3回以上
子ども中等度以上の有酸素運動:一日平均60分以上
高強度有酸素運動 or 筋や骨を強化する運動:週3回以上 
妊娠中・産後中等度以上の有酸素運動:週150分以上
筋トレや軽いストレッチ
おすすめ運動 まとめ表

短い時間、弱い強度でも効果あり!

ここまで聞いて、 “よし!私にはできそうだ!” と思われる方は少ないのではないでしょうか?実際、運動習慣の定着の妨げとなる点として「時間がないこと」が最も大きな要因であるとされています (参考文献 3)。

その中で週150分以上の有酸素運動と言われても
そんな時間はないよ……
という声が聞こえてきそうです。

では、週150分未満の運動は意味がないのかというとそうではありません。米国の成人88,410人を対象にしたアメリカの研究では、週に10~59分だけ運動を行っている方々でも、運動しない人に比べれば死亡リスクが18%も低かったとされています (参考文献 4)。

“WHO身体活動・座位行動ガイドライン” でも「少しの身体活動でも、何もしないよりはよい」と記載されています (参考文献 2)。

運動に慣れていない人は上記の推奨されている運動をすることで怪我のリスクもあるため、安全に行うためにも最初は少ない量、少ない強度で行うべきです。

運動の種類についても、意味のない運動はありません。自分の好きな、続けられやすい運動を始めるのが良いでしょう。

運動以外にもできること

運動だけでなく日常生活における身体活動を増やすのも良いです。
厚生労働省が策定している「健康づくりのための身体活動指針」では
「プラステン」を推奨しています。

これは、今している歩行、買い物、家事などで体を動かしている時間をもう10分間だけ増やしましょうというものです (参考文献 5)。

運動をするぞ!とジムに行くのも良いと思いますが、日常生活の延長で行う身体活動の増加は続けやすいです。

座っている時間を減らそう!

最後に重要な事は、座位時間です。

日本人は世界の中で座位時間が長いです。2002年から2004年にかけて行われた研究によると、平均420分/日も座っているとの回答が得られました (参考文献 6) 。

さらに、長い座位時間は死亡、心血管病、がん、糖尿病に影響があることが知られています (参考文献 7) 。

座っている事を短くすることが最も重要ですが、どうしても時間を短くできない場合は座っている途中に立つことで座っている時間を中断することも有効です。

日常生活の中で座っている時間が長い方は、運動よりも、まずその時間を減らしたり中断したりすることから始めると良いです。

未来の自分へ健康を!!今日がそのスタートです!!

もちろん WHO のガイドラインで推奨されているような量の運動をするのがベストです。しかし、短くて低強度の運動や、日常の身体活動を増やすことなど、座る時間を減らすことなど、小さなころからできることはたくさんありましたね!

この記事を読んでくださった皆さんは、まず今日から始めてみましょう!

COI

本記事について、開示すべき COI はありません。