まとめ
- 男性型脱毛症に有効な発毛剤として「ミノキシジル 5% 配合製品」が市販されている。
- 女性型脱毛症に有効な発毛剤として「ミノキシジル 1% 配合製品」が市販されている。
- 男性向けなら『プロスモ V5 』、女性向けなら『リアップリジェンヌ』などのラインナップがあるので、自宅での治療も可能。
薄毛にお悩みの方は男女ともに多いと思います。薬局に行けば色々な薄毛対策用品が売っていて、どれを選んだらよいのか分かりませんよね。この記事では「よく聞く男性型 / 女性型脱毛症ってどんなものなの?」「市販の薬を選ぶ基準は?」といった疑問を、皮膚科専門医が解説していきます!
男性型 / 女性型脱毛症ってなに?
薄毛には色々な種類がありますが、思春期以降に加齢に伴って徐々に進行する薄毛は「男性型脱毛症」と呼ばれます (参考文献 1,2) 。女性に起きた場合には「女性型脱毛症」と呼ぶことが多いです。ちなみに、男性型脱毛症を英語では Androgenetic Alopecia と書きます。テレビCMや電車広告などで“AGA”という略称がよく用いられていますね。
男性型脱毛症と女性型脱毛症の特徴を大まかにまとめると、次のような感じです。
男性型脱毛症
- 20歳代後半頃から起こる。
- 額の生え際が後退する。
- 前頭部や頭頂部から薄くなる。
女性型脱毛症
- 更年期の頃から起こる。
- 頭頂部の比較的広い範囲が薄くなる。
これらの「男性型脱毛症」や「女性型脱毛症」は自宅で治療可能なのでしょうか?
治療方法は?
男性型脱毛症や女性型脱毛症について信頼できる治療方法は、日本皮膚科学会が無料で公開している『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン』で確認できます。それによると、最も強く推奨されている治療法はそれぞれ以下のとおりです (参考文献 1) 。
- 男性型脱毛症の治療方法
- フィナステリドという飲み薬
- デュタステリドという飲み薬
- ミノキシジル 5% の塗り薬
- 女性型脱毛症の治療方法
- ミノキシジル 1% の塗り薬
有効性や安全性がしっかり確認されている治療法は意外と少なく、男性型脱毛症では3種類、女性型脱毛症では1種類です。
自宅でできる治療はある?
これらの治療法のうち、飲み薬のフィナステリドとデュタステリドは医療用医薬品であり、病院でしか処方できません。一方で、ミノキシジルの塗り薬は一般用医薬品で、男性用の 5% 製剤も、女性用の 1% 製剤も市販で購入できます (参考文献 3) !
つまり、病院を受診せずとも、効果や安全性について日本皮膚科学会のお墨付きがある「最高推奨度」の治療法を、自宅で行うことができるわけですね!「まずは自宅で治療してみたいなぁ」という方は、ミノキシジルの入った発毛剤から試してみると良いでしょう。
ちなみに、ミノキシジル入りの発毛剤は色々ありますが、男性向けなら『プロスモV5』、女性向けなら『リアップリジェンヌ』辺りが価格的には選びやすいと思います。
※記事執筆時点では、『プロスモ V5』は 72 ml で6578円、『リアップリジェンヌ』は 60 ml が4981円でネット販売されています。
もちろん使い心地などは個人の好みなので、ご自分に合った製品を選んでください。
市販薬で治療する際に気を付けることは?
ただし半年経っても効果が出ないようであれば、自宅での治療はいったん打ち切って、医師などへ相談してみましょう (参考文献 4) 。そもそも本当に男性用脱毛症 / 女性脱毛症なのかの確認が必要ですし、特に男性では先述したフィナステリドなどの飲み薬を使用することも検討されます。漫然と使用し続けないようにご注意下さい。
以上、市販で購入できる男性型脱毛症や女性型脱毛症の発毛剤について解説しました。
男性なら「ミノキシジル 5% 」、女性なら「ミノキシジル 1% 」と書かれている製品を選ぶのがポイントですよ!
適切な科学的根拠のある製品を選んで、効果的な薄毛対策を行いましょう!
COI
本記事について、開示すべき COI はありません。