あなたのワキ汗は病気かも!原発性腋窩多汗症の診断基準や治療法を皮膚科専門医が解説!

まとめ

  • ワキ汗は「原発性腋窩多汗症」という病気として診断されることがある。
  • 5.7%もの人がかかっている一般的な病気。
  • 塩化アルミニウム溶液などで治療できるので、お困りなら医師に相談を!

ワキ汗の悩みは辛いですよね。なかなか人に相談できずに我慢している方も多いのではないでしょうか?実は、ワキ汗は「病気」と診断されることがあり、治療薬も存在します。

今回の記事では、ワキ汗を病気と判断する基準や治療法を皮膚科専門医が解説します!

この記事を書いた医師の名前

江畑 慧

Satoshi Ebata

ワキ汗は「病気」として診断されることがある

ワキ/手/足/顔など、体の一部のみに汗が出すぎてしまう状態を、医学的には『原発性局所多汗症』と言います (参考文献1) 。中でも、ワキ汗タイプは『原発性腋窩多汗症』と呼ばれ、日本人のうち「5.7%」もの方がこの病気にかかっています。

原発性腋窩多汗症の診断基準とは?

診断基準としては、次のシンプルな方法が有名です (参考文献2,3) 。

「ワキに限定して汗が出すぎる」&「特に明らかな原因がない」&「6ヶ月以上症状が持続している」方を対象に、下記6項目中2項目を満たせば『原発性腋窩多汗症』と考えられます。

  1. 25歳以下の年齢のときから症状が出ている。
  2. 左右両方のワキに症状がある。
  3. 寝ている間は汗が止まっている。
  4. 少なくとも週に1回は汗をかきすぎてしまう。
  5. 血のつながっている家族に同じ病気の人がいる。
  6. ワキ汗によって日常生活に支障をきたしている。

読者の皆様の中にも当てはまった方はいらっしゃいませんか?ワキ汗も病気に該当することがあるので、お困りの場合は遠慮なく皮膚科を受診いただいて大丈夫です!

ワキ汗に有効な治療法を簡単に紹介!

最後に、簡単ですが治療法について説明します。重症度が高いと注射や手術なども検討されるのですが、それらよりも安全性が高い塗り薬には次の3つがあります。

  1. 塩化アルミニウム溶液
  2. エクロックゲル
  3. ラピフォートワイプ

塗り薬であれば比較的抵抗が少ない方も多いのではないでしょうか?このうち「①塩化アルミニウム溶液」は、皮膚科学会のガイドラインで「最初に考えるべき治療法」として推奨されています (参考文献3) 。

推奨されている濃度は20〜30%の間で、コットンに含ませるなどして寝る前にワキへ塗ります。塩化アルミニウム溶液は保険適用ではないのですが、病院によっては自費で購入できるところがあります。

また、Yahoo!ショッピングや楽天市場でも『薬局製造販売医薬品』として塩化アルミニウム20%溶液を購入できます。『薬局製造販売医薬品』という言葉は聞き慣れない方が多いと思いますが、薬剤師の方が手作りして直接販売する医薬品のことであり、安心して使用できます (参考文献4) 。

病院を受診せずに、まず自宅で治療したい場合には、このように市販の塩化アルミニウム溶液を試すことも可能です。ただし、症状が良くならない場合には病院を受診しましょう。また、塩化アルミニウム溶液による副作用としては、かぶれてしまう方が多めです。もし塗った場所が赤くなったり、痒くなったりした場合には、塩化アルミニウム溶液が使用者の肌に合っていない可能性があります。その際は使用を中止して、皮膚科でご相談下さい。

この他、2020年には「②エクロックゲル」、2022年には「③ラピフォートワイプ」が、厚生労働省によりワキ汗治療薬として承認されました (参考文献5,6) 。

これらの塗り薬は保険適用であり、病院で処方してもらえます。ゲルタイプの薬やワイプ (拭き取り布) タイプの薬も出てきて、選択肢の幅が広がってきているわけですね。いろいろな治療法について聞きたい場合はぜひ皮膚科を受診して下さい。

以上、ワキ汗に関して病気の診断基準や治療法を説明しました。

とても多くの方が困っている一般的な病気ですから、お悩みでしたら遠慮なく医師と相談してみてくださいね。

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本記事について、開示すべき COI はありません。