まつ毛エクステによる皮膚や目のトラブルに要注意!接着剤に発がん性成分の使用例も!

カテゴリ:皮膚科

公開日:2022/08/05/

最終更新日:2022/08/16

まとめ

  • まつ毛エクステでは皮膚や目のトラブルを生じる方が多い。
  • 接着剤 (グルー) の成分に法的な記載がなく、発がん性のある成分が含まれるケースも。
  • リスクがあることをよく理解し、トラブル発生時はお早めに病院へ。

まつ毛エクステンション (まつ毛エクステ、まつエク) とは、自分のまつ毛1本ずつに接着剤 (グルー) で人工まつ毛を付ける美容法です (参考文献 1) 。

自然に仕上がって長持ちするということで、世界中で流行しています。

日本でも、2012年に全国各地にお住まいの15-60歳の女性2,000名を対象とした Web アンケート調査で、「10.3% の方がまつ毛エクステの経験あり」「20代後半の方に限ると 22.3% がまつ毛エクステの経験者」と報告されています (参考文献 1) 。

まつ毛エクステはかなり一般的な美容法と言えそうですね。

しかし、実はまつ毛エクステによる健康トラブルで病院を受診する方は少なくありません。

たとえば2022年4月には、タレントの梅宮アンナさんが、まつ毛エクステの接着剤で真っ赤にかぶれた状態の顔写真を Instagram で公開して話題になりました (参考文献 2) 。

今回の記事では、まつ毛エクステのリスクについて皮膚科専門医が解説します。

この記事を書いた医師の名前

やさひふ

Yasahifu

医師 / 皮膚科専門医 / 医学博士

Lumedia 編集長。怪しい医療情報に惑わされる患者さんを多く見た経験から Lumedia の立ち上げを決意。 皆さんのすこやかなお肌を守るため、Twitter で科学的根拠に基づいたスキンケア情報発信中。

まつ毛エクステのトラブルはどれくらいある?

まず、まつ毛エクステ後に健康トラブルを経験した方はどの程度いらっしゃるのでしょうか?

上述したアンケート調査によると、

  • まつ毛エクステ経験者の 26.8% が何らかの健康トラブルを生じていた。
  • 22.9% の方が接着剤による目の充血や痛みで困った。
  • 11.7% の方がアレルギーによるまぶたの腫れやかゆみを生じた。
  • 5% の方が治療のために眼科を受診した。

と報告されています (参考文献 1) 。「え、そんなにトラブルが多いの?」とびっくりされませんか?まつ毛エクステを気楽に利用される方が多いようですが、実はトラブルでお困りになる方、病院の受診が必要になる方も決して珍しくはないのです

まつ毛エクステでトラブルが起こりやすいのはなぜ?

では、なぜまつ毛エクステは健康トラブルが多いのでしょうか?

医師が疑っている大きな原因は、まつ毛エクステに使用されている接着剤です (参考文献 3) 。

実は、付けまつ毛に使用する接着剤の成分については法的な規制があるのですが、まつ毛エクステの場合はそういった規制がありません。その結果、刺激性の強い成分がまつ毛エクステの接着剤の中に含まれていたり、そもそも接着剤の成分が開示されておらず、何が入っているのかすらも不明という怖いケースが存在したりするのです……

また恐ろしいことに、発がん性がある『ホルムアルデヒド』という成分が、まつ毛エクステの接着剤中に含まれていたケースも報告されています (参考文献 1,4) 。

付けまつ毛に比べると、まつ毛エクステの規制は遅れていて、健康面への悪影響が懸念されると言えそうです。

相次ぐトラブルを受けて、健康被害にあう消費者の数を減らそうと、独立行政法人国民生活センターもすでにまつ毛エクステの利用に関する注意喚起を出しています  (参考文献 3) 。しかし、それでもなかなか状況は改善せず、今後の課題となっています。

トラブル時の対応は?

まつ毛エクステの利用者の方が「皮膚や目がおかしいな」と感じたら、お早めに病院を受診してまつ毛エクステ使用中だと医師に伝えましょう。

また、まつ毛エクステは美容師資格を持つ方しか行えませんが、無資格者が違法に行っている施設も目立ちます (参考文献 3) 。

美容師以外の人がまつ毛エクステの施術をしているケースに気がついた場合は、消費生活センターや保健所等へ相談してみる方が良いかもしれません (参考文献 5) 。

今回は、人気のまつ毛エクステに関するリスクについて解説しました。

まつ毛エクステは確かに魅力的な美容法の一つですが、利用する場合には健康トラブルが少なくないことをよく理解した上で、トラブル発生時には病院を受診してくださいね

ちなみに、まつ毛エクステと同様に近年人気のまつ毛美容液の効果とリスクについては以下の記事で紹介しています。こちらも合わせてご覧いただけますと嬉しいです。

COI

本記事について、開示すべき COI はありません。