まとめ
- 必要なたんぱく質量は、年齢や性別、活動量によって変わります。
- たんぱく質が多く含まれる食品は肉類、魚類、卵、乳類、豆類、一部の穀類などです。
- 色々な食品を取ることで、栄養の偏りをなくしましょう。
1日に必要なたんぱく質はどのくらい?
最近、筋トレブームなどにより、たんぱく質に注目が集まっています。特にプロテイン市場は日本国内で非常に伸びており、2013年に623億円の規模であった市場は、2023年には2,580億円が見込まれています (参考文献 1) 。
目標とするべきたんぱく質の摂取量は活動量に応じて変わりますが、例えば60歳で活動量が少ない(身体活動レベルが低い)男性に必要なたんぱく質量は、1日あたり 77〜110 g です (参考文献 2,3) 。
身体活動レベル別に見た活動内容と活動時間の代表例 (参考文献 2 P76 表6 より抜粋)
身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量 (g/日) (参考文献 3 P116 表8 より抜粋)
たんぱく質を多く含む食品とは?
たんぱく質が多く含まれる食品は、肉類、魚類、卵、乳類、豆類、一部の穀類などです。それぞれ見ていきましょう。
一般にたんぱく質が多そうなイメージがあるのは肉や魚でしょうか。
肉や魚はおおよそ 100 g あたり 20〜30 g のたんぱく質が含まれています (参考文献 4) 。中でも鶏むね肉は 100 g あたりのカロリーが 113 kcal と少なく、調理しやすい事も相まって非常に便利です。
鶏むね肉の成分表示 (参考文献 4 で「にわとり むね」の検索結果を一部抜粋)
意外にもたんぱく質を多く含んでいるのは “いか” です。
するめいかの場合、 100 g あたりのたんぱく質量は 17.9 g で、カロリーは 76 kcal と非常に少なく (参考文献 4) 、エネルギーの 94.2% がたんぱく質という優秀な食材です。
するめいかの成分表示 (参考文献 4 で「するめいか」の検索結果を一部抜粋)
鶏卵 (サイズL, 64 g 以上の場合) は1個あたり約 8 g のたんぱく質が含まれています (参考文献 4,5) 。なお、1日に食べてよい卵の量の目安は過去の記事をご参照ください。
卵の成分表示 (参考文献 4 で「鶏卵」の検索結果を一部抜粋し、重量を64gに変更)
牛乳はコップ1杯 (200 mL) で約 7 g のたんぱく質を含みます (参考文献 4) 。
カロリーは 122 kcal と意外にも高く、実はコーラよりも高カロリー (参考文献 6) なのでご注意ください。飲みやすいからといって飲み過ぎてしまうとカロリー過多になります。
牛乳の成分表示 (参考文献 4 で「牛乳」の検索結果を一部抜粋し、重量を 200 g に変更)
“畑の肉”とも呼ばれる大豆や、他の豆類にもたんぱく質が多く含まれます。
例えば絹ごし豆腐は1丁 (300 g の場合) あたり約 16 g のたんぱく質が含まれています (参考文献 4) 。冷奴にしてもよし、お味噌汁に入れてもよし、サラダに入れてもよし、歯が悪い人や飲み込みが苦手な人にも食べやすい万能食材ですね。
豆腐の成分表示 (参考文献 4 で「絹ごし豆腐」の検索結果を抜粋し、重量を 300 g に変更)
忘れがちなのが主食に含まれるたんぱく質です。
主食にはうどん、そば、白米、パン、パスタなど様々な食材がありますが、たんぱく質の量は全く異なります。
最も少ないのは白米で、 100 g (342 kcal) あたりのたんぱく質量は 6.1 g です。逆に最も多いのはパスタで、 100 g (347 kcal) あたりのたんぱく質量は 12.9 g です。白米とパスタ (いずれも調理前で比較) では、約2.1倍もたんぱく質の量が違います (参考文献 4) 。
パスタと白米の成分表示 (参考文献 4 で「穀類」の検索結果を一部抜粋)
パスタの原料である小麦にはグルテンというたんぱく質が含まれているため、小麦を使った他の食品、例えばうどんやそうめん、パンなどにもたんぱく質が多く含まれています。
多様な食品を組み合わせて必要な栄養素を摂取しましょう!
今回の記事では、たんぱく質が多く含まれる食品について解説しました。
ここで注意していただきたいのは、「様々な食品を食べながら目標とするたんぱく質量を摂取していただきたい」ということです。
例えば、「パスタはたんぱく質が多いからパスタだけ食べる!」ということではなく、和食のときには他の食品でたんぱく質を多くとったり、パスタのときには肉類を少なめにするといった工夫が大切です。
農林水産省が出している『食生活指針』の中でも「多様な食品を組み合わせましょう」と言われており (参考文献 7) 、たんぱく質以外にもビタミンやミネラルなど、身体に必要な栄養素をきちんと摂取できるように、色々な食品を食べるように心がけましょう。
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