寒さ対策にご注意を!しもやけの予防や治療について皮膚科専門医が解説

まとめ

  • しもやけは寒いところで皮膚が変色したり腫れたりするものです。
  • 一度かかると長引きやすく、あまり良い治療薬が存在しないのが現状です。
  • 暖かくして過ごすことで、「治療」よりも「予防」を意識しましょう!

冬に多い皮膚トラブルの一つに「しもやけ」があります。今回の記事では、しもやけの予防法や治療法について、皮膚科専門医が解説します!

この記事を書いた医師の名前

江畑 慧

Satoshi Ebata

しもやけとは

しもやけとは、寒い環境で過ごした後に、皮膚が赤色や紫色に変色したり、ぶつぶつができたりする症状を指します (参考文献 1,2) 。かゆみや痛み、熱っぽさなどを伴うケースも多いです。特に手足の指で起こりやすく、片手 (片足) だけではなく両手 (両足) で同時に発生しやすいです。

しもやけになるタイミングとしては、皮膚が冷えて 12 ~ 24時間ほど経ってから症状が出始めて、数週間以内に治ることが多いです。

ただ、症状が長引いたり、感染症を合併したりすることもあります。若い女性で特に多いですが、お子さんやご高齢の方もかかりやすく、男性がかかることもあります。 

なお、「皮膚が冷えると何故しもやけになるのか?」については、現代医学ではよく分かっていません。寒さによって血管がぎゅっと縮まると皮膚内で酸素不足が発生し、それが皮膚の炎症を引き起こしているのではないかと予想されています (参考文献 1,2) 。

しもやけの予防法

寒さ対策には綿 (めん) 製品の手袋などが有効です。

しもやけは一度かかると長引きやすいです。なので、予防が何よりも大事だとされます (参考文献 2) 。

具体的な予防法としては、次のようなコツが挙げられます (参考文献 3〜5) 。寒さをいかに防ぐのか、ということが重要です。

  1. 寒かったり、湿気が多かったりする日は、なるべく外出を控える。
  2. もし外出するなら、暖かくて防水性が高い衣服を着用する。長ズボン、ロングブーツ、タイツ、レッグウォーマーなどを活用する。
  3. 手足の指が冷えないように、綿 (めん) 製品の手袋を常に持ち歩いたり、長めの靴下を選んだりする。
  4. 靴 (くつ) や靴下はよくフィットして快適な製品を選ぶ。こすれて皮膚を痛めたり、きつすぎたりする製品は避ける
  5. 外出前に、手をぬるま湯に数分間ひたして温めておく。ただし、手袋を付ける前に、手をよく乾かしておく。
  6. 靴を履く前に、暖房器具で靴を温めておく。湿った状態の靴を履かないようにする。
  7. 屋内は暖房でよく温めて、隙間 (すきま) 風が入らないようにする。
  8. 皮膚が冷えたら、徐々に温める。手足を暖房器具の上に置いたり、熱湯につけて温めたりして皮膚を急激に温めるのは避ける

しもやけの治療法

しもやけの治療法は、予防法と重複するのですが、「症状がある部位を暖かくして過ごすこと」です (参考文献 1,2) 。

患部が寒い環境に直接さらされないようにする必要があります。保温性が高い服や手袋、靴下、靴などを上手く活用して下さい。

しもやけの治療薬については、実は効果がはっきりしている製品が存在しません (参考文献 1,2) 。

皮膚の炎症を鎮める作用があるステロイドの塗り薬が処方されることもありますが、その効果を確認した臨床試験結果はなく、「本当にステロイドを塗る方がしもやけが早く治るのか?」については不明です。

しもやけの症状が重い場合には、ニフェジピンという血管を広げる飲み薬の使用が検討されることもあります。ただ、こちらの薬は、むくみやふらつきなどの副作用が出ることがあります。

なお、日本国内ではしもやけの治療薬として、ビタミンEを含む塗り薬や飲み薬を処方する医師もいるようです (参考文献 6) 。

しかし、これらの治療薬は臨床試験等でしもやけへの効果が確かめられているわけではありません。つまり、何らかの質が高い科学的根拠が存在する治療法というわけではなく、その有効性は不明です。

「治療」よりも「予防」を意識しましょう!

このように、しもやけ治療においては、あまり良い薬が存在しないのが現状です。繰り返しになりますが、しもやけはかかってから「治療」するよりも、発生自体を防ぐ「予防」が大事だということを覚えておきましょう。

以上、今回の記事では、しもやけについて解説しました。暖かくして、しもやけ予防に注意してお過ごしくださいね。

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