健康的な食事をするには?アメリカ糖尿病学会が勧めるプレート法について解説します!

まとめ

  • 糖尿病や高血圧症などの病気のある方は、病院で管理栄養士から栄養指導を受けることができます。
  • 日本の食事バランスガイドでは、食事量の目安などが詳しく書かれています。
  • 海外のもので簡単でわかりやすい方法としては、1枚のお皿に食品を載せるプレート法があります。

この記事を書いた医師の名前

大坂 貴史

Takafumi Osaka

健康的な食事をとれていますか?

健康のために食は大切と理解していても、具体的にどうしたら良いのかわからない・難しそうと感じる方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

令和元年に行われた国民健康栄養調査でも、「あなたの健康な食習慣の妨げとなっていることは何ですか。」という質問に対して、25.3% の人が「面倒くさいこと」と回答している現状があります (参考文献 1) 。

すでに糖尿病や高血圧症などの病気がある方は、保険診療で栄養指導を受けることができます。具体的には、病院を受診して医師の診断を受けたあと、栄養士から栄養指導を受けることができ、費用は3割負担で1,000円弱です。これにより、今の自分にあった適切な治療方法を詳しく知ることができます。

しかしこの栄養指導は、糖尿病や高血圧など何らかの病気がある方や、食べる力が落ちてしまった方、低栄養状態にある方しか受けることができません。現時点では、「健康だけど将来の病気を予防したい!」と思っても保険診療で栄養指導を受けることはできないのです (参考文献 2) 。

日本の食事バランスガイド

日本では「健康的な食事について一般的な知識を得たい!」という方むけに、農林水産省が「食事バランスガイド」というものを作成しています (参考文献 3) 。

食事バランスガイドでは、食品が「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つに分けられています。そして、1日に必要なエネルギーを 2,200 kcal として、それぞれの食品を1日にどれぐらい食べればよいかが大まかにわかるようにまとめられています。

1日に必要なエネルギーと食事量は体重や生活内容によっても変わるため、ご自身の状況に合わせて増やしたり減らしたりします。細かい内容は「食事バランスガイド教材」に詳しく書かれています (参考文献 4) 。例えば、その中の「親子で一緒に使おう!食事バランスガイド」という教材では、下の図のように性別、年齢、活動量によって1日に必要なエネルギー量と食事量の目安がまとめられています

アメリカ糖尿病学会が勧めるプレート法とは

さて、「これで上手くできる!」という方は良いと思いますが、なかなか細かい内容もあり、日常的に取り入れるには難しい点もあるかもしれません。そこで今回紹介したい方法が、アメリカ糖尿病学会が勧めるプレート法という簡単な方法です。

2017~2020年のデータによると、アメリカの国民の4割以上が肥満となっています。肥満の割合が3割ほどであった約20年前と比べると増加傾向であり、アメリカは肥満が社会問題となっている肥満大国です (参考文献 5) 。

こういった背景もある事からか、アメリカではできるだけシンプルな食事ガイドが求められており、プレート法と呼ばれる食事法が一般的に勧められています。以下では、プレート法について具体的に解説します (参考文献 6) 。

プレート法の具体的な方法

まず、直径 23 cm ほどを目安に、お皿を用意します。お皿のサイズによって食事の量が決まるので注意しましょう。次に、上の図のように3つの部分に仕切ります。もとから仕切りがあればなお良いです。

そして、お皿の半分に「でんぷん質のない野菜」を詰めます。でんぷん質のない野菜とは例えば、アスパラガス、ブロッコリー、人参、キャベツ、セロリ、キュウリなどです。これらは炭水化物が少ないため血糖値も上がりにくく、ビタミン・ミネラル・食物繊維も沢山含んでいます。「でんぷん質のない野菜」に、じゃがいもやサツマイモなどイモ類は含めないで下さい。これらを食べる場合には「炭水化物」に含めます。

次に、お皿の4分の1に「脂肪分の少ないタンパク質」を詰めます。脂肪分の少ないタンパク質とは例えば、魚、鶏肉、ヒレ肉やモモなど赤身の牛肉、チーズなどです。脂肪分が少ないタンパク質はカロリーが少ないのも良い点です。また、豆類、豆腐などの植物性タンパク質もここで積極的に摂りましょう。

最後に、お皿の残りの4分の1に「炭水化物食品」を詰めましょう。炭水化物食品は例えば、穀類、イモ類などです。炭水化物は血糖値を上げやすい食品ですが、玄米、大麦、オートミールなど精製されていない食品であれば、ビタミンやミネラルが豊富であり炭水化物の中でも血糖値を上げる程度が軽くなります (参考文献 7) 。

また、食事の際に一緒に飲む飲み物は、できるだけカロリーの少ないものを選びましょう。

プレート法は糖尿病学会が推奨している方法であるため、特に血糖値を意識した内容になっています。アメリカ農務省も同様の「マイプレート」という方法を推奨しており、こちらは乳製品や果物などより細かく食品を分類しています (参考文献 8) 。

なお、プレート法はあくまで健康的な食事を作るための基本的な考え方であり、必ずしもこのプレートで食べなければいけないわけではありません。なかにはピザやパスタなど複数の食品の要素が入った料理のように、プレートの3つの部分に分けることが難しく、プレート法をあてはめにくいものもあるかもしれません。しかし、プレート法を実践することで食事の量を一定にしつつ食品のバランスもよくすることができるため、食事の質を上げるうえではとても良い方法であると考えられます

さて、今回は主にアメリカ糖尿病学会が推奨するプレート法について解説しました。一定のお皿を用意するだけで、食事の量や栄養バランスを考えた健康的な食事を作ることができますので、ぜひ実践してみてください。

COI

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