まとめ
- 紫外線の強さを推測する方法に『シャドー・ルール』というものがあります。
- 『シャドー・ルール』とは、「足元の影の長さが自分の身長よりも短いときは紫外線が強いので、日陰に入るなどの対策が必要だよ」というお手軽な判断方法です。
- 小学生でも理解できる簡単なルールなので、お子さんにもぜひ教えてあげて下さい!
「健やかな肌を保つためには紫外線対策が大事」ということに関しては、これまでの Lumedia の記事で何度かお伝えしてきました。
効果的な紫外線対策としては、
- 日焼け止め、日傘、帽子、衣服などで肌を紫外線から保護する。
- 紫外線が強い時間帯を把握して、その間は外出を控えたり日陰に入ったりする。
といった方法があります。
①に関連するテクニックについては多数の記事で解説してきましたが、②については過去に『UV インデックス』を紹介しただけでした。
今回の記事では、UV インデックスよりもお手軽な『シャドー・ルール』という紫外線チェック方法について説明します。
『UV インデックス』のおさらい
本題に入る前に、UV インデックスについて簡単に復習しましょう。
UV インデックスとは、紫外線の強さを客観的に示す指標です。気象庁のホームページやアプリなどで確認できます。
UV インデックスについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
なお、UV インデックスの目安は以下のようになっています。
このように UV インデックスも分かりやすい指標なのですが、気象庁のホームページなどをチェックしないと数値が分からないことが難点です。少し手間がかかるので、お子さんが頻繁にチェックするには面倒かもしれません。
一方、今回紹介する『シャドー・ルール』は、「いつでも誰でも (お子さんでも) 一瞬で簡単にチェックできる」というメリットがある方法なのです!
『シャドー・ルール』とは?
『シャドー・ルール』は直訳すると「影のルール」ですね。ここでいう「影」とは、地面に映っている自分自身の影のことです。このルールはとてもシンプルなもので、次の内容だけ覚えておけば大丈夫です (参考文献 1,2,3) 。
- 自分の足元の「影の長さ」を見てみる。
- 「影の長さ」が「自分の身長」よりも短いかどうかを確認する。
- 影の方が短いならば、日陰に入るなどの紫外線対策を行う。
とても分かりやすいですね!
影が身長よりも短いということは、太陽の角度が45度よりも高くなっているということを意味します。夏のお昼頃には、太陽が空の高い位置に登っており、その時間帯は地上に降り注ぐ紫外線の強さが増しているので、紫外線対策を強く意識すべきなのですね。
『シャドー・ルール』は単純な内容ではあるのですが、なんと世界保健機関やアメリカ皮膚科学会も公式ホームページで紹介し、一般の方々への啓発活動を行っています。世界的に広く用いられている、有名なチェック方法だといえるでしょう。
『シャドー・ルール』のメリットとは?
このルールの良い点は、何と言っても「簡単」なことです。次のように、「10歳の子どもでも分かる」と報告されています。
オーストラリアの小学5年生76人に『シャドー・ルール』を教えたあと、人形に対して25度から75度の角度で照明を当て、「人形の影の長さと身長の高さはどちらが長いでしょうか?あるいはちょうど同じ長さですか?」と質問した実験があります (参考文献 4) 。
その結果、78% の子どもが正確に判定することが出来ました。照明の角度が45度付近でとても判断が難しいケースを除けば、子どもたちの正解率は 92% に達しました。
小学生でも自分で判断できるというのは『シャドー・ルール』の大きなメリットですし、お子さんの紫外線対策意識の向上にも役立ちそうです。
実際に学校の先生からは、「この実験に参加してからは、休み時間などで外に座るとき 95% の子どもたちが日陰に入ってくれるようになりました!」とのコメントが寄せられています。
二つの方法をうまく組み合わせて紫外線対策を!
今回は、お手軽な紫外線チェック方法である『シャドー・ルール』について説明しました。
より正確な指標であるUV インデックスも活用いただきたいのですが、『シャドー・ルール』には「いつでも、どこでも、誰にでも」一瞬で紫外線の強さを推測できる利点があります。
これらの二つの方法をうまく組み合わせることで、紫外線の強い時間帯に無防備に肌を太陽光にさらすリスクを下げられると良いでしょう。
皆様やお子さんの適切な紫外線対策を心より応援しております!
COI
本記事について、開示すべき COI はありません。