まとめ
- 結膜炎は白目(結膜)が感染症やアレルギーなどで炎症を起こしている状態です。
- 自然に治ることが多いですが、「強い痛みがある」「見えにくい」場合は眼科受診を!
- 結膜炎がうつらないように正しい手洗いをして、タオルなどの共有は避けましょう。
皆さんは「目がかゆくて赤い!」といったような経験や「それ結膜炎じゃない?」と言われたことがありますか?実際に眼科で結膜炎と診断されたことがある方も多いのではないでしょうか。今回の記事では、「結膜炎って何?」「気を付けた方がいい症状は?」「人にうつるの?」「コンタクトはしていいの?」といった疑問を、眼科医と一緒に考えていきます!
結膜炎って何?症状・原因は?
そもそも結膜炎とは、いわゆる白目 (結膜) が感染症やアレルギーなどで炎症を起こした状態です。代表的な症状には次のようなものがあります。
- 白目(結膜)がピンク色または赤色になる。
- 涙が出たり、ベタベタした目やにが出る。
- 目がかゆくなったり、ヒリヒリしたりする。
- 特に起床時に、目が塞がってしまって開かない。
結膜炎の原因には様々なものがありますが、主なものとしては、
- 細菌やウイルスによる感染症
- 花粉などへのアレルギー
が挙げられます (参考文献 1,2) 。
結膜炎は治療が必要?受診するタイミングは?
ほとんどの場合、結膜炎は治療しなくても自然に治ります。ただし、治療した方が良い場合もあります。
例えば、細菌に感染して起きた結膜炎なら、抗生物質(抗菌薬)の目薬や塗り薬で治療可能なことがあります。また、アレルギーが引き起こす結膜炎であれば、結膜炎そのものが治るわけではありませんが、目薬でかゆみなどの症状を和らげることが可能です (参考文献 1) 。
注意したほうがよいこと
まず、片目が結膜炎になっているときに注意してほしいことが1つあります。特に感染症による結膜炎の場合に「症状が出ていない目には、手や目薬の容器を直接触れさせない」ことです。片方の目に症状を引き起こしている細菌やウイルスが、手や目薬の容器を介して、もう一方の目に広がる可能性があります。症状が出ていなかった目にまで、結膜炎が生じてしまうかもしれません (参考文献 1) 。
また、目が赤いことに加えて「強い痛み」や「視力の低下」があれば、すぐに眼科を受診することが必要です (参考文献 3) 。
結膜炎が他の人から移ることはある?
結膜炎は他の人から移ることがあります (参考文献 1) 。例えば、アデノウイルスによる結膜炎 (流行性角結膜炎) は感染力が強く (参考文献 4) 、周りの方へ簡単に感染させてしまいます。非常に流行しやすいので「流行り目」と呼ばれるほどです。流行性角結膜炎にかかってしまった場合には、他の人への感染を防ぐために、医師の許可が出るまでは学校や仕事を休む必要があります (参考文献 5) 。
その他、感染症ごとの欠席日についてはこちらの記事で解説しています。
流行性角結膜炎の原因となるアデノウイルスは、触ってうつるウイルスなので、手洗いをしたり、感染した方が触ったものをアルコールで消毒したりという基本的な感染予防が大事です (参考文献 4) 。感染するタイプの結膜炎にかかった方は、家族とタオルや洗面用具、目薬などを共有するのは避けて、お風呂には最後に入るようにしましょう (参考文献 1,4,5) 。
結膜炎の感染を防ぐ手洗いの方法
感染するタイプの結膜炎にかからないためには、石けんと水道水で頻繁に手を洗うことが特に有効です。具体的な手洗いの方法ですが、次のようにやってみてください (参考文献 1) !
- 手を濡らし、石鹸をつける
- 20秒以上、手をこすり合わせる。手首、爪、指の間までしっかり洗う。
- 手を水ですすぐ
- ペーパータオル(捨ててもよいもの)などで手をふく
※洗面台が近くにないならアルコール入りの手指消毒剤で手をきれいにすることもできますが、できれば石鹸と水で洗った方がよいでしょう。
目が赤くてもコンタクトレンズは使ってよい?
コンタクトレンズはアレルギー性結膜炎 (特に巨大乳頭結膜炎) の原因となることがあります (参考文献 6) 。したがって、目が赤くなった際は治るまでコンタクトレンズを中止することが望ましいです(参考文献 7)。治った後はデイリータイプのコンタクトレンズへの変更などが検討されます。
また、感染症が原因の結膜炎であっても、コンタクトレンズの使用中止が望ましいです。治療の後に、コンタクトの使用を再開する際も次の点に注意が必要です (参考文献 1) 。
- 使用しているコンタクトレンズが使い捨てであれば、新しいコンタクトレンズを使いましょう!
- 使い捨てではないコンタクトレンズであれば、洗浄方法などを見直しましょう!
- コンタクトレンズケースも交換することが望ましいです!
以上、皆さんも一度はかかったことがあるであろう結膜炎について説明しました。感染予防に気をつけつつ、お困りの際は眼科でご相談下さいね。
COI
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