新学期にコンタクトを作る前に気をつけるべき3つのこと

カテゴリ:眼科

公開日:2023/03/16/

最終更新日:2023/03/10

まとめ

  • コンタクトレンズは高度管理医療機器なので、眼科で買うようにしよう。
  • コンタクトレンズを買う前に目の病気がないか目の形に合っているかを確認しよう。
  • コンタクトレンズを買った後も合併症が出ていないか、定期受診で確認しよう。

もうそろそろ新学期ですね!新しい学校やクラスなど、変化が多いこの季節にイメチェンをしてみたくなりますよね!「新学期になるからコンタクトを使おう」とコンタクトデビューを検討している方も多いでしょう。

新しくコンタクトレンズを作る方は「どんなコンタクトレンズが良いのかな?」「どうやって使うのかな?」など不安もいっぱいだと思います。

そこで今回の記事では、コンタクトレンズを初めて使う方に向けて、コンタクトレンズの使い方や注意点を解説していきます!

この記事を書いた医師の名前

ドクターK

Doctor K

医師

眼科医。

コンタクトレンズはどこで買うべき?

コンタクトというと、病院や眼鏡店で購入するイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、実はインターネットや格安スーパーなどでも購入することができます
少し古い調査ですが、平成18年6月20日から平成19年7月4日までに行われたアンケート調査によると、インターネットでコンタクトレンズを購入した割合は 3.9% でした (参考文献 1) 。

日本眼科医会ホームページ (参考文献 1) より引用

今や身の回りの様々なものをインターネットを通じて手に入れることができます。
インターネットを使えば、いつでもどこでも購入できますし、買いに行く手間も省けるので便利ですよね。

おや、もしかして今あなたは「インターネットでコンタクトレンズを買えるなら、それでいいじゃん!」と思っていますか?

眼科医の私がここで皆さんに伝えたいのは「コンタクトレンズを購入する際は、必ず眼科を受診してください!」ということです!

なぜコンタクトレンズを眼科で買うべきなのか、ここから解説していきます。

コンタクトレンズを作る際に眼科受診した方が良い3つの理由

コンタクトレンズを作る際に眼科を受診した方が良い理由は、大きく分けて3つあります (参考文献 2) 。

コンタクトレンズは医療機器

コンタクトレンズは、高度管理医療機器のクラスⅢに分類されています (参考文献 3) 。高度管理医療機器のクラスⅢは、「不具合が生じれば人体へのリスクが比較的高いもの」であると判断されるものが当てはまります (参考文献 4) 。

したがって、コンタクトレンズは不具合が生じないよう、正しく処方することが重要になります。なお、同じクラスⅢの医療機器には、血液ろ過器や人工骨頭 (※) などがあります (参考文献 3) 。

血液ろ過器 :
腎臓のはたらきが悪くなってしまった患者さんに対して行う「血液ろ過」という治療で用いる機械。患者さんから血液を引き抜き、ろ過器によって腎臓の代わりに血液を綺麗にして、患者さんの体内に戻します。

人工骨頭 :
病気や怪我の治療の過程で、大腿骨の付け根の一部を切除しなければならなくなった患者さん等に対して使用する機器。元あった骨の代わりに、患者さんの体内に人工骨頭を入れます。

目の病気がないかを確認する

視力が下がってもコンタクトレンズをすれば、よく見えるようになる場合もあるでしょう。

しかし視力が下がる原因はたくさんあります。ときにしっかりと調べなければ分からない目の病気が原因となって、視力が下がることもあるのです。

コンタクトレンズを作成する際の検査で目の病気が見つかれば、詳しい検査を行い、必要であればコンタクトレンズの使用を始める前に、その病気の治療をする必要があります
例えば視力を下げる病気として、白内障などがあります。

※白内障についての詳しい解説は過去記事でしていますので、合わせて読んでいただくと理解が深まると思います。

コンタクトレンズが目に合っているかを確認する

コンタクトレンズを装着する角膜 (黒目の部分) は、人によって形が異なります。さらに同じ人であっても、右目と左目で形が異なります。

また、コンタクトレンズを着けた状態で、レンズがその人の眼にフィットしているかをチェックすることも重要です。

洋服と同じで、実際にコンタクトレンズを着けてみたらキツい、逆に外れやすかったなどがないかを確認します。

コンタクトレンズを作った後も眼科受診は必要?

コンタクトレンズは「作るとき」に加えて、「作った後も」眼科へ定期的に受診することが大切です。

コンタクトレンズ使用による合併症の予防

コンタクトレンズの合併症には、ドライアイだけでなく結膜炎や角膜炎などの感染症など、さまざまな疾患が知られています (参考文献 5, 6) 。

以前の Lumedia の記事で、ドライアイと結膜炎について解説しています。ドライアイ・結膜炎の原因や治療について読むと、合併症予防の重要性についても理解しやすくなると思います。

このように、コンタクトレンズの使用によって、さまざまな合併症が出る恐れがあります。したがって、定期的に眼科を受診し、これら合併症の有無を確認することが大切なのです。

コンタクトレンズ自体のチェック

コンタクトレンズが目の形に合っているか、コンタクトレンズに汚れや傷などないかなども、定期受診の際に併せて確認します。

眼科を定期的に受診していれば合併症を必ず防げるというわけではありません。合併症の予防には、使用者自身による日々のコンタクトレンズ管理が重要になってきます。
特に「レンズのこすり洗い」は、使い捨てのコンタクトレンズ以外では必須です。

しかし、コンタクトレンズが原因で角膜感染症を起こして2007年から2009年の間に入院した、350名の日本人患者を対象としたアンケート調査では、毎日こすり洗いをしていた患者さんの割合は 19.1% にとどまっています (参考文献 5) 。

先ほどお話しした合併症の原因はさまざまですが、レンズの汚れは大きな原因の1つと考えられています (参考文献 6) 。

こすり洗いをしなければ、コンタクトレンズに汚れがたまってしまいます。
コンタクトレンズを適切にお手入れできているかどうかを、眼科医にチェックしてもらいましょう!

※正しいコンタクトレンズのこすり洗いの方法は、こちらの記事で解説していますので、是非とも確認してくださいね!

今回はコンタクトレンズを作る際に知ってほしいことについて解説しました。正しくコンタクトレンズを使用して、素晴らしい春を迎えてくださいね!

COI

本記事について、開示すべき COI はありません。