Lumedia 出張版『毎日新聞医療プレミア』第15弾「がんとお金の問題」が公開されました!

勝俣範之先生 (日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科教授) が執筆したがんとお金の問題」という記事が、毎日新聞の『医療プレミア』に掲載されました!

医療プレミアは、「長く健やかに暮らす」ことを目指して、健康に役立つトピックを分かりやすく伝えるウェブメディアです。

Lumedia 顧問の勝俣先生が、「がんによくある誤解と迷信」をテーマに、医療プレミアでコラムを連載しています。このコラムは、「国民の2人に1人が罹患する」とされるがんの予防や治療に関して、適切な科学的根拠に基づいた正確な知識をお届けするものです。

今回は連載の第15弾として、がんの経済毒性と障害年金を中心に解説をしています。以下に記事の概要をご紹介しますので、詳細が気になった方はぜひ医療プレミアの記事も覗いてみてください。

※第14弾の「余命に関する誤解」をまだお読みでない方は、こちらをご覧ください。

がんの経済毒性とは?

がんの治療費がかさみ、生活に影響を与えることを経済毒性と言います。がんになると職を失ったり雇用機会が減ったりすることがあるため、がん患者さんの生活はさらに苦しくなります。

特に若年者や低所得者などの人には影響が大きい傾向があります。イタリアでは経済毒性が QOL の低下や死亡リスク増加と関連していることが報告されています。がん患者の中には、治療費の負担を軽減するためにレジャーや食費を削る人もおり、これはがんによる経済毒性が QOL の悪化と関連していることを示していると思われます。

障害年金について

障害年金は、病気や障害により生活や仕事に制限が生じた場合に受給できる年金制度です。65歳にならずとも受給可能で、がんやその治療による機能障害でも対象となります。受給資格は例外を除けば初診日から1年6か月以上経過し、直近1年間に年金保険料の未納がないことが条件です。しかし、がん患者の中で障害年金を受給している人は非常に少ない状況です。その理由は障害年金の制度の理解が医療者・患者の双方で進んでいないこと、そもそも申請しないと受給できないこと、申請が複雑であることなどが挙げられます。

障害年金は身体障害者手帳とは異なり、障害年金のための診断書は医師であれば誰であれ書くことができます。しかしこのことはあまり知られていないため、身体障害者手帳のための診断書であると勘違いして「診断書は書けない」などと医師が言ってしまう可能性があるのです。

障害年金がカバーする範囲は意外と広く、毎日の出社は難しいが会社の配慮で在宅ワークに切り替えてもらったとか、家事では洗濯物が重くて持ち上げられないので家族に干してもらっているなどのケースも該当する可能性が高いです。また、すべてとは限りませんが、最大5年分を遡って受給できる可能性もあります。

ただ、審査は書類審査だけですが、審査や手続きに数か月かかります。しかも、がんの場合は認定審査で「就労もできているのだから障害の程度が軽いのではないか」と見られがちで、年金事務所によっては厳しい対応を受けることもあるようです。障害年金に詳しい社会保険労務士に依頼して請求したほうが無難かもしれません。

がんと共存しながら生きていくために、障害年金をはじめ、さまざまな公的支援制度をどうか活用していただきたいと思います。

以上、『毎日新聞医療プレミア』第15弾「がんとお金の問題」の概要のご紹介でした。

医療プレミアの本記事では、障害年金の範囲や申請する際の相談場所についても勝俣先生が詳しくご説明されています。ぜひ本記事もご一読ください。

知らないと損をする がんになったら障害年金を受給しよう | がんによくある誤解と迷信 | 勝俣範之 | 毎日新聞「医療プレミア」 (mainichi.jp)

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※出張版の本記事も、普段の記事と同様に Lumedia 編集部でのチェックを経て正確性を担保しておりますのでご安心ください。査読作業は、帝京大学医学部内科学講座腫瘍内科病院教授 渡邊清高先生にお願いいたしました。

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